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心療内科 玲子クリニック Main 大阪府寝屋川市香里新町1-1 香里園駅 心療内科 精神科 基本情報 ドクター 紹介記事 特徴 (レポート) 特徴 (トピックス) お知らせ 平 玲子 院長の独自取材記事 最終更新日:2019/08/28 168596 %e5%bf%83%e7%99%82%e5%86%85%e7%a7%91%e7%8e%b2%e5%ad%90%e3%82%af%e3%83%aa%e3%83%8b%e3%83%83%e3%82%af 京阪本線・香里園駅から徒歩約5分。「心療内科 玲子クリニック」の扉を開けた途端、3匹の犬がしっぽを振りながら出迎えてくれた。淡いピンクのカーテンと落ち着いたグリーンのソファー。優しい色合いの待合室には、「患者さんが居心地良いように」という、平玲子院長の心配りが随所に見られる。神戸大学医学部時代、精神病理学の分野で知られる中井久夫氏のもとで学んだ平院長は、その影響から、診療ではまず患者の話を聞き、一緒に考えるというスタンスを何より大切にしているという。自身も犬に癒やされながら、日々患者に寄り添う平院長に、心療内科や犬たちのことなど、さまざまな話を聞いた。 (取材日2018年3月19日) 目次 人間の情動に作用し、心を癒やしてくれる3匹の犬たち 治療は患者と一緒に考える共同作業 患者の笑顔がやりがい 人間の情動に作用し、心を癒やしてくれる3匹の犬たち 広々とした優しい印象の待合室ですね。 1 この場所は、もともと耳鼻咽喉科として父が開業したクリニックでしたが、父が亡くなり、2016年に私が引き継ぎました。その際、居心地の良さを大切にしたいと、内装をすべて変えたんです。座りやすいソファーにしてティールームをつくり、患者さんが自由にお茶を飲みながらテレビを見たり、犬と触れ合えるようにしました。また、香りでもリラックスしていただきたいと考え、ディフューザーをたいています。 穏やかで人懐っこい犬たちですね。 10歳のラブとそのお嫁さんで4歳のベリー、そして娘のアイちゃんと3匹います。みんなアイリッシュセッターという犬種です。もともとラブとウィーという2匹の犬を同時期に飼い始めたのですが、ウィーが先に亡くなり、ラブがうつ状態になったことからベリーをお嫁さんに迎えたんです。翌年娘が生まれました。彼らは誰が触っても、何をされても怒りません。いつも待合室にいて、患者さんを癒やしてくれます。 なぜクリニックに犬を? 2 大学を出て最初に勤務した揖保川病院に、その後週1回ずっと診療に行っているのですが、最初はそこの患者さんたちに、何か治療的な関わりができたらと犬を連れて行くようになったのがきっかけです。心療内科は人間関係でうまくいかなくなった患者さんが多いのですが、犬がそんな患者さんの気持ちをほぐしてくれ、みんなの笑顔が増えました。また一時勤務していた特別養護老人ホームに連れて行ったときも、認知症で言葉が出なくなっていたご老人が、「わあ、大きな犬」とおっしゃるなどの反応があったんです。犬には人間の情動を動かしてくれる力がすごくあるので、自分のクリニックにも連れて行くようになりました。実は香里園で開業する前、豊中でメンタルクリニックをしていたのですが、当時は院内が狭かったので週1回しか連れて行けませんでした。その点ここは広いので、彼らもずっと毎日通っています。 治療は患者と一緒に考える共同作業 どんな方が来院されますか? 3 小学生から80代の方まで、年齢層は本当にまちまちです。ただ、やはり女性が多いですね。精神科と心療内科は、根元は同じです。でも、精神科は統合失調症や重症のうつ病、知的障害でも重症の方が多いのに対し、心療内科、中でもこういう町のクリニックには、軽いうつ病やパニック障害、それから人格障害、つまり心の発達が未熟な方や広汎性発達障害など、入院せずに外来でフォローできる方が来院されます。小学生は登校拒否が多いですね。精神科や心療内科は、医師と患者さんの関係がすごく強く、私も大学院の頃診ていた患者さんが今も名古屋から来院されるなど、私でなければ駄目とおっしゃる方たちのフォローを長年続けています。 先生が患者さんと向き合うとき、心がけていらっしゃることはありますか? 自分が患者さんを映し出す鏡でありたいと思っています。心療内科の診療は、まず患者さんに話してもらうことから始まります。それから、どういうときにそう感じてしまうのか、患者さんと一緒に考えます。その際、ああしなさい、こうしなさいと自分の考えを押しつけるのではなく、良い悪いなどの批判も一切しません。とにかく患者さんと話しながら、相手の気持ちをわかろうと努力し、わかったらわかったと伝えて共感します。治療に関しては、神戸大学時代の恩師、中井久夫先生にずっと教えていただき、その影響が大きいです。そもそも私が心療内科を選んだのも、中井先生の講義をお聞きし、すごくおもしろいと思ったからです。その中井先生が、治療は患者さんと一緒に行う共同作業で、最大の処法は希望であると教えてくれました。ですから診療は、治療目標を2人で考えていく作業です。 薬の投与に関しても、お考えがあるようですね。 4 患者さんを薬漬けにしてしまうのが嫌なので、なるべく薬に頼らないようにしています。もちろんある程度の薬は必要ですが、早く卒業してほしいので、できるだけ減らしていきたいと思っています。何より話を聞くだけで、患者さんの心はかなり軽くなって帰られるので、とにかく話を聞き、「性格は変えられないけれど生き方は変えていけるから、それを一緒に考えていきましょう」というスタンスでやっています。漢方も、研修医時代に専門の中国人医師にいろいろ教えていただいたので、使っています。 患者の笑顔がやりがい 女性医師であることは、診療にどう作用されていると思いますか? 5 やはり女性だからこそできる部分はあると思います。男性にしても女性にしても、求めるものは母性ですから。その母性の部分は、女性医師のほうがより患者さんに見せられると思います。患者さんにとって、少しでも症状が和らぎ、笑顔が増えればうれしいので、そのために患者さんが話しやすいよう環境を整えています。 お忙しい毎日ですが、日頃のリラックス方法はありますか? また先生にとってのやりがいは何でしょう? 患者さんの笑顔が何よりのやりがいです。精神科に入局した当初、中井先生から、あなたはのめりこみすぎるから気をつけなさいと言われましたが、研修医になったばかりの1年間は、本当に大変でした。家に帰ってからも、あの患者さんはどうしたらいいだろうと考えてたまらなくなったり、むすっとして誰とも話したくなくなったり。だからこれではいけないと、意識してスイッチのオンとオフを分けるようになりました。休みの日は旅行したり、映画を見て買物もします。スポーツも好きで、以前はよくしていましたが、今は犬たちと毎朝箕面の山を歩いています。自宅が豊中なので、毎朝車で山に行き、その後30分ほど犬を放して、私はぶらぶら歩いています。夜は河川敷に行って一緒に遊んだり、時間があるときは箕面山にも行きますね。私も犬に癒やされています。 目に見えない分野ですが、どの時点で来院したら良いかなど、読者にメッセージがありましたらお願いします。 6 本当は病気になる前に来ていただくのが一番いいのですが、要は、その方がいかに困っていらっしゃるかですね。内容は一人ひとり全然違います。他人にはたいしたことがないことでも、つらい人にはつらいものです。またうつ病でも、体の症状から始まる人がいます。頭が痛い、おなかや胸が痛むなど、日常生活に支障を来すようになったら病気といえるので、その時点で来ていただくのもいいかもしれません。昔は精神科や心療内科といえば、壁がすごくあり、受診される方にも勇気が必要でしたが、今はそんなに怖いところではないので、気軽に来ていただければと思います。